マイクロリアクタ (文責:学部3年生MI)

■持続可能な社会へ向けて

従来の大量生産、大量消費の社会から持続可能な社会へ転換するためのツールとしてプロセス強化という考えがあります。プロセス強化というのは、生産性や装置サイズ、省エネルギー性などの飛躍的な向上のための新たな装置、技術開発を目指すことです。このプロセス強化の一つとして当学科はマイクロリアクタの開発に取り組んでいます。

 

▶マイクロリアクタって何?

マイクロリアクタとは、非常に直径の短い管型反応器(PFR)のことで、反応器が小型であるため次のような特徴が表れます。

①反応器体積あたりの表面積が大きい(高比表面積)ため、反応器の内壁に触媒を付けた場合、単位体積あたりでは流体と触媒の接触が増える。

②熱応答性が良いため、加熱あるいは冷却した際に温度分布が出来ずに均一な条件ができる。

③集積化が可能である(ナンバリングアップ)。マイクロリアクタをいくつも並列させてつなげ、実験室で検討した条件のまま工業化が可能になる。従来は研究室開発から工業化する際にフラスコで検討した反応条件とは別に大きな反応器に適応した条件を検討しなければならなかったが、マイクロリアクタによりその過程を省くことができる。

以上のように、マイクロリアクタは非常に小さな反応場で化学反応を行う高効率な反応器として注目されています。そこで当学科では、構造体触媒酸素固定型マイクロリアクタの開発を行っています。

▶構造体触媒って何?

構造体触媒とは、従来の粒状触媒とは異なる触媒で、一般に粒状触媒と比較して以下の点で優れています。

①圧力損失が低い

②反応炉内の温度均一性が高い

マイクロリアクターに構造体触媒を導入することでより、エネルギー効率、触媒活性、選択性の高い反応器が設計可能になります。構造体触媒の具体例は以下のようになります。

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図 構造体触媒(引用:web.tuat.ac.jp/~kameyama/)

 

▶酸素固定化マイクロリアクタとは?

当学科の酸素固定化マイクロリアクタは、内径が数ミリのアルミチューブ内をアルマイト化して、そこに酸素を固定化しています。酸素をマイクロリアクタ内に固定化することで、酸素と生成物の分離が容易になり、また酸素を長期間使用できるため、コストが大幅に削減できると期待されています。

この利点を生かして、将来的には酸素反応を用いるファインケミカルのオンデマンドでの生産に酸素固定化マイクロリアクタが用いられる可能性があります。

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(引用:web.tuat.ac.jp/~kameyama/)

Category: For-high-school-students(中高生向け研究紹介)